介護業界における離職率はどの程度か
介護業界の離職率は高いと言われていますが、本当にそうなのでしょうか。
公益財団法人介護労働安定センターが出している「介護労働実態調査」に詳細な数字が出ているので、一度確認しておくといいでしょう。
実はそれによれば、他業種と比較をしてそれほど高い数字にはなっていません。
毎年15%前後であって、平均よりは少し多い程度です。サービス業は20%を超えていますから、それよりはずっと低い水準にあるといえます。
ただ、一概に15%前後の離職率があるといっても、介護施設の種類や常勤か非常勤か、さらには訪問介護のスタッフか通常の介護職員かによっても細かく数字が違ってきます。
男女別の離職率も大幅に違っている点は注目でしょう。
データ上は、非正規雇用の方がもちろん退職者が多く出る傾向が見受けられます。
ただ、訪問介護に限っていえば、退職者は正規雇用の方が多いです。
これには色々な理由があると言われていますが、一つに、訪問介護の正規職員は車の運転を任されることがあるということが影響している可能性がありますね。
疲れた体で車の運転をするのは危険ですから、その点がネックになっているのかもしれません。
ちなみに、三年以内の離職者の割合が高くなっているのも分かります。その中でも、一年未満で辞めていく人の割合が特に大きくなっています。
ただ、これはどこの業界にも見られることですから、そう不思議はありませんし、それで何が分かるというものでもありません。